2020年6月

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太陽の日がまぶしい季節になりましたね。庭の野菜も、朝と夕で姿が変わるほど、ぐんぐん大きく伸びていき、あっと驚く毎日です。

さて、私は小さい頃から、食べることが好き、作ることが好き、自然を感じることが好きということが合わさって、旬の食材を使って美味しいものを作って食べて楽しむことが大好きです。特に、初夏は、次々と旬の野菜や果物が採れる為、食べないといけないものだらけで大変です。

昨夜は、採れたての大きなトウモロコシや枝豆を茹でたてでいただきました。塩加減に気を付けてただ茹でるだけ、これだけでもなんと甘くて美味しいことでしょう!と感動してしまいます。トウモロコシを茹でるのは、水から、お湯からと色々な方法がありますが、私は水からギリギリ沸騰しない火加減でじっくり火を通し、しっとり甘く茹でるのが好きです。

さて、今日は、毎年5月下旬から6月初めの頃の季節のおやつを紹介します。それは、皆さんご存じの和歌山の南高梅を使って漬ける「梅シロップ」です。丁寧に洗って拭いてヘタを取り、凍らせた梅と氷砂糖を順番に、瓶に入れて、毎日フリフリし、10日程で、溶けたシロップの中に浮かんだ梅を取り出して弱火にかけて冷やすだけ。

香りは、梅の甘酸っぱいとてもよい香り、味はこれこれという梅の味と氷砂糖の合わさったさわやかな甘みがして、心をとても落ち着かせてくれます。

楽しみ方の定番は、炭酸割、水割りです。先日は、フルーツポンチに、炭酸割した梅シロップをかけていただきました。お気に入りのビンに入れて、冷蔵庫に保管しているので、思い付いたときにいつでも気軽に戴いて、自分を喜ばせることができます。冷蔵庫に一つ旬の手作りの一品、自分にとっての逸品があるだけで、毎日の生活がとても生き生きしてきます。

取り出した梅は、そのままむしゃむしゃ食べたり、ヨーグルトに入れて戴いたり、そのまま刻んでジャムにしたり、寒天ゼリーに入れたり、気軽に色々な形で楽しむことができます。

この初夏、ギリギリまだ間に合う『梅シロップづくり』、皆さんも楽しんでみませんか?

一年を通して、旬ごとの手作りおやつ、ご紹介してゆきたいと思っています。お楽しみに!!
皆さん、こんにちは!

先日、BBQをする機会がありました。お肉は勿論、海鮮を焼いたり、ダッチオーブンで鶏肉やじゃがバターを焼いたり、素材の味をとても美味しくいただきました。自然のものを自然のパワー、遠赤外線で戴くと私たちも不思議とパワーが湧いてくるので不思議です。

ところで、その時、私は野菜を切る役をしたのですが、いつも迷うことがあります。椎茸の軸をどうするかということです。家族の為に調理する際、石突きの下の方の硬い部分のみを切り落とし、残りの軸は食べやすい大きさに切って食べるのですが、よその家庭では、軸は全て切り捨てて食べない方が結構いるからです。

自然の動植物の命を食材として戴く時、当然ながら、食べることが出来る部分と、食べることが出来ない部分があります。例えば鶏を戴く時、鶏の毛、嘴、鶏冠…等食べることが出来ない、もしくは食べることが難しい部分があり、逆に、胸肉、もも肉、手羽先等のように、美味しくて食べるのに適した部分もあります。

さて、ここで今日の話題なのですが、「食べることが出来るが、美味しい部分に比べて味や食感が劣るため、取り除くことも多い部分」という、私たちが食べるかどうかのグレーゾーンが存在すると思います。
例えば、肉や魚の骨や皮、椎茸の軸、肉や魚の脂身、パンの耳…等です。皆さんは、それらの部分を食べますか?それとも、調理の段階、または食べる段階で除いて食べないことが多いでしょうか。

今日は、「全体を食べる」ということをテーマにお話したいと思います。私は、鶏の皮が好物です。煮たときは、プルプルとしていて甘く、コラーゲンたっぷりな雰囲気もたまらないですし、焼いた時のカリッとした食感やジュワッと染み出す油の味も好きです。しかし、娘は、「鶏のプルプル、苦手~。」と食卓に出ると嫌な様です。こういった好みの違いは、食べるのに適した部分か、グレーゾーンの部分かに関わらず、ただの好みの違いだと思います。

苦手なものは、無理して大量に食べる必要はありませんし、好みがあることは食を楽しむうえでむしろ良い事だと思います。こういった、好みの話ではなくて、例えば鮭の皮でも、椎茸の軸やパンの耳等でも、「食べようと思えば食べることが出来るけど、率先して食べたいとも思わないな。」と感じた場合に、食べるという選択と除いて食べないという選択ができる場合、どちらを選ぶことが多いかどうか、考えてみていただきたいなと思います。

私は、例えば魚でしたら、柔らかくて小さく喉に刺さらない骨でしたら食べますし、皮や魚の頭もできるだけ食べます。頭を丸ごと食べることが難しい大きさの魚の場合、目の周りは苦手なので残しますが、顔の周りの肉、特に頬肉等は身がきめ細やかで柔らかくて美味しいので丁寧にとって食べます。できるだけ、食べることが難しい部分、どうしても苦手な部分だけを残すようにしています。また、血合いの部分は、苦手ではあるのですが、女性として鉄分が不足しない様に食べるようにしています。
そうしていると、最後、お皿の上には、白くなった眼玉と、鱗や尾ひれや骨や歯などの硬い部分等、食べるのが難しい部分だけがのこります。

現代人は、魚より肉を食べる機会が増えたことで、魚を食べる頻度自体が減りましたし、たまに食べる際にも、全体を食べる意識をする人が減ったことで一匹の魚から摂取している栄養が少なくなっていると感じます。私たちの親、祖父母世代の方の魚の食べ方と、若い方や子どもの世代の魚の食べ方は随分違うという感覚は、皆さんにも分かって頂けるかなと思います。世代が上に行くほど、よく魚を食べますし、綺麗に魚の全体を食べますよね。
魚の骨には、カルシウムやリン・マグネシウム・ビタミンD・鉄分・葉酸・アミノ酸等の栄養価が沢山含まれていますので、骨ごと食べると、除いて食べる場合と比べて栄養価が大きく上がります。中でもカルシウムは、種類にもより幅がありますが、5-10倍も、摂取量がアップするそうです。

魚を骨ごと食べるコツとしては、「酢」等酸性の食品を利用する方法(南蛮漬け等の酢漬け等)や焼いたり揚げたりする「加熱」する方法があります。サービスのよいお寿司屋さんで、刺身を食べた後の骨と皮、残りの肉を姿揚げしてもらった経験のある方がいるかと思いますが、バリバリと骨と皮と頭まで丸ごと戴くと、とても美味しいですし、何だかとても嬉しい気持ちになりますよね。
私は、心身の健康には、体と心だけでなく、脳の働きに必要な栄養素を摂取することがとても大事だと考えています。種類にもよりますが、魚は全体的にこの脳が喜ぶ栄養素が豊富に含まれていることはよく知られている事です。ぜひ、心と体と脳が喜ぶ食材「魚」を食べる事や、できるだけ全体を食べる事を楽しんでいただきたいです。

先日パン屋さんに行ったら久しぶりにパンの耳が売っていました。今度サンドイッチを作る際、パンの耳を除かずに食べる、または、除いて後から別に揚げてラスクにして食べる等にチャレンジしてみようと感じた出来事でした。

1回の食事を作る際、なるべく全体を買うことや(魚なら切り身より、半身、半身より一匹)、その食材全体を最大限生かすことを意識すること、また、食事を摂る際、その一皿から最大限に栄養を摂取することを意識して、毎日の食事をしていくことは、私たちの生活を生き生きさせることに繋がると思います。

『一物全体』という言葉があり、「一つのものを丸ごと食べる」という意味ですが、一つのまとまりのあるものは、色々な面でバランスがとれている上に、何か特別な働きが期待できると言われています。穀物の皮や胚、野菜の皮には、それ以外のところには入っていないビタミンやミネラルなどの栄養が含まれますし、皮や芯等の硬い部分には、食物繊維が豊富なため、腸の健康に役立つことが分かっています。

私たちの生産するお米でいえば、籾ごと食べることはできなくても、精米した白米ばかりではなく、玄米や発芽米も食べる様にすること等も全体を食べることに近づきますし、野菜はなるべく皮を剥かずに、たわしで擦って丁寧に洗って食べる等もできますよね。

皆さんも、今日から「全体を食べる」を意識して、楽しい食生活と心身共に健康な毎日を送っていきませんか?