『光と影』
「光と影」
こんにちは!先日、今年収穫した小麦の麦わらを使って、ヒンメリという北欧の飾りを作ってみました。
太陽の出ない時間の長い北欧で、光を取り入れるサンキャッチャーとして作られたものです。
また、今回ヒンメリに吊り下げた飾りは、ストロースターと言って、ヨーロッパで麦わらのストローを幾つかに割いて星や雪の結晶のような形に束ねたものも作って吊下げてみました。
ヒンメリ用に材料を丁寧に準備した訳ではないので、割れやすく作りにくく、割けて緩んだりして形が保ちにくかったのですが、何とか形になりました。
ヒンメリは、つるつるとした麦がキラキラと光り、風でゆっくりずーっと動いて回るので、まるで、流れる雲を眺めるときのような素敵な時間を与えてくれます。
そして、ヒンメリの美しさのもう一つの大きな要素は、「影」です。
サンキャッチャーとしてキラキラ輝くヒンメリの後ろには、綺麗な幾何学模様の影が移ろい、それがまたとってもいい雰囲気なんです。
最近は、ストローで代用したり、本当の麦わらを使って作る方も増え、クラフト好きの方には、国内でも流行りつつあるようです。
インターネットには本当に沢山の素敵な作品がありました。ご興味のある方は是非、ヒンメリの世界を覗いたり作ったりして、楽しんでみて下さいね。
さて、そんなヒンメリを今なぜ作ったのか、少し真面目なお話です。
環境破壊が進み、いよいよ大きな変革が迫られる状況の中、最近、SDGS(持続可能な開発目標)のバッチや張り紙を見たり、17の目標への取り組みを知る機会が増えています。
そんな中、私たちはより一層意識して、本業である農業で、環境負荷の少ない農法を日々実践し、地球に負荷を掛けずに継続、発展させていく事ができるように日々取り組んでいます。
必要に迫られていることを企業や一人ひとりに具体的に取り組んで行なってもらうことが大きな目的の一つであるSDGSを、私たちも強く意識して新しい取り組みも模索しています。
先ほどのヒンメリは、その一つである麦わらストロープロジェクトで作った麦わらストローの活用の一つの試行です。
日本では、稲わらが中心でしたが、昔のわら細工は、日常生活に深く根付き、生活を支えるものでした。草履も、座布団も、ロープも、食品の包装も、色々なものがわらを細工して作られていました。
現代は、プラスチックや化学繊維が便利だということで、そのような人工的な素材を生活の中心として使うことが主流となりましたが、このような地球が危機的状況にある中では、自然素材を活用することに目を向けていかなければなりません。
麦わらストローを作ること、ヒンメリを作ることには、量が少ないことやその性質から、大きな成果が見込める訳ではありません。
しかし、少しでも、自然素材の魅力から、そのような環境負荷を減らす動きを感じ、興味を持ってくれる方が少しでも増やすことができたら、それが行動変容のきっかけになり、結果として環境負荷を減らすことに繋がると思っています。
先日、一冊の書籍で、強く胸に刺さったメッセージがありました。
「心地の良い嘘」と「不都合な真実」どちらを必要とするかということです。
この書籍の中では、別の一つの事柄について問うていたのですが、私たちの生活では、「心地の良い嘘」を皆が信じ、「不都合な真実」に気付く人が非常に少ない、そしてそのことが世界を暗くしているという現状が、色々な場面で見られるということに思い至りました。
大抵は、経済活動を推進する為、商業が儲かる為に、とかく物事の「楽しさ」や「美しさ」、「メリット」等、輝かしい「光」の部分だけに大きく偏って見せる働きによって、本来、光と同時に認識されるべき「闇」が見えにくくされ、結果として、その光に惑わされて光を強めることで、それと同時に影を濃く広くしてしまっていることに気付いていないことが沢山あると思うのです。
例えば、「アパレルの消費」はどうでしょうか。
私たちは、ファッションへの関心が高く、ファッションをとても楽しんでいます。そして、一つ一つの服を長く大切に最後まで着るというよりは、次々に流行や季節に合わせて服を買うという行動パターンを習慣としています。かわいい服が次々に市場に出回り、ファッションを楽しめるという光の裏にある影は何でしょうか。
それは、他国で児童労働が加速されている問題だったり、国内で大量の服が廃棄されているというようなことではないでしょうか。私たちや他国の方が働いて作った服を大量に捨てているということは、無駄に労働していることでもあり、児童労働も含めた過労を促進していることだとも言えるのではないでしょうか。
服だけでなく、他の私たちの日用品や食品についても同じことが言えるのだと感じます。
また、別の例でいうと、「ペットを飼う」ということはどうでしょうか。昔は、ペットの種類も少なく、個人間でやり取りしていた規模だったペットの業界ですが、現在は、一つの産業として規模が拡大しています。
ペットショップに行くと本当に沢山の種類の動物が居て、中には、遠い外国から連れて来られた動物や日本の気候では生きることが難しい動物など珍しい動物も豊富に飼うことができます。
では、ペットを購入して飼うことによる「闇」はなんでしょうか。
それは、広くペットが飼われたことにより、飼えなくなった飼い主が動物を遺棄することが増えたということです。飼いにくい動物だったり、繁殖して増えて飼えなくなくなってしまった動物、飼い主の住環境が変わり飼えなくなった動物、色々なケースがあるのでしょうが、遺棄される動物が増え、その分保健所に保護される動物も増え、飼い主を見つけるスピードよりも遥かに保護される動物が多くなっていて、結果として、大量に殺処分することになってしまっています。また、ペットショップに並べられる前の動物たちの扱いについても問題はあるようです。
別の例では、食品はどうでしょうか。例えば、最近は美味しくて便利な食品がどこでも簡単に手に入ります。しかし、その美味しさや便利さと引き換えに、「化学調味料や保存料などの食品添加物」や「農薬の使用量の増加や残留農薬」「ワクチンまみれで飼育された動物の肉や牛乳、卵」等、安全でない食品もその中にはあります。
「見た目の良さ」「美味しさ」「便利さ」といった「光」の部分だけを見て、安全でない、もしくは危険な食品について知らずに、購入し継続的に食しているとしたらどうでしょうか。
それは、あなたの一番大切な体を蝕み、病気になったり、病気になる年齢を早めて健康寿命を短くしたりするでしょうし、更に怖い事には、危険な生産・飼育・製造を増進し、そのような食品を増産することに知らず知らずに加担してしまうのです。
最近よく耳にする、芸能人等の有名人の闇もそうです。
ワイドショーや雑誌等でゴシップを楽しむという娯楽が、有名人のプライベートを崩壊させたり、心身の病を引き起こすことに繋がってしまうのです。
光に照らされたどんな物体にも影ができるように、どんなきらびやかで楽しく魅せられている営みにも、大抵は必ず影があります。
その影は、光が強くなり、まばゆく輝けば輝くほど大きくなる側面が否めません。
では、その闇や影に当たる「不都合な真実」を少しでも減らしていくためには、何をするべきなのでしょうか。
まず、「光」である「心地の良い嘘」に気付き、セットである「闇」についても、「知ろうとし、気づくこと」だと思います。
影を認識することができれば、光だけに惑わされて、どんどんどんどん影を大きくする行動を自重できるからです。
強すぎる「光」と「影」では代償が大きすぎるので、そこそこの「光」で満足することを覚え、「影」を抑えるというのが本当の私たちの幸せなのではないのかと思うのです。
便利で快適、オシャレな生活は、確実に環境破壊を加速しています。環境破壊を加速させないように、起こさないように、便利で快適でオシャレな生活を工夫して楽しむ方法を探るのも必要かもしれません。
でも、本当は、少しの「光」で満足し、楽しめる豊かな心を一人ひとりが持てることが私たちに求められていることなのだと思います。
「環境破壊」という言葉を遠ざけ、「環境負荷の少ない生活」を義務のように重苦しく感じるのでは無く、何ができるか、楽しみながら考え、実践できる方が増えたらと願っています。
ちょっと重たくて長い話になってしまいましたので、最後まで読んで下さった方には、心から感謝致します。
ヒンメリの話だけをするときっと、楽しく後味の良い、読みやすいブログになるのでしょうが、「心地の良い噓」では無くて、「都合の悪い真実」を共有し、一緒に本当の意味で、住みよい地球・社会を作っていける仲間が増えたらと願って、いつもお話ししています。
こんにちは!先日、今年収穫した小麦の麦わらを使って、ヒンメリという北欧の飾りを作ってみました。
太陽の出ない時間の長い北欧で、光を取り入れるサンキャッチャーとして作られたものです。
また、今回ヒンメリに吊り下げた飾りは、ストロースターと言って、ヨーロッパで麦わらのストローを幾つかに割いて星や雪の結晶のような形に束ねたものも作って吊下げてみました。
ヒンメリ用に材料を丁寧に準備した訳ではないので、割れやすく作りにくく、割けて緩んだりして形が保ちにくかったのですが、何とか形になりました。
ヒンメリは、つるつるとした麦がキラキラと光り、風でゆっくりずーっと動いて回るので、まるで、流れる雲を眺めるときのような素敵な時間を与えてくれます。
そして、ヒンメリの美しさのもう一つの大きな要素は、「影」です。
サンキャッチャーとしてキラキラ輝くヒンメリの後ろには、綺麗な幾何学模様の影が移ろい、それがまたとってもいい雰囲気なんです。
最近は、ストローで代用したり、本当の麦わらを使って作る方も増え、クラフト好きの方には、国内でも流行りつつあるようです。
インターネットには本当に沢山の素敵な作品がありました。ご興味のある方は是非、ヒンメリの世界を覗いたり作ったりして、楽しんでみて下さいね。
さて、そんなヒンメリを今なぜ作ったのか、少し真面目なお話です。
環境破壊が進み、いよいよ大きな変革が迫られる状況の中、最近、SDGS(持続可能な開発目標)のバッチや張り紙を見たり、17の目標への取り組みを知る機会が増えています。
そんな中、私たちはより一層意識して、本業である農業で、環境負荷の少ない農法を日々実践し、地球に負荷を掛けずに継続、発展させていく事ができるように日々取り組んでいます。
必要に迫られていることを企業や一人ひとりに具体的に取り組んで行なってもらうことが大きな目的の一つであるSDGSを、私たちも強く意識して新しい取り組みも模索しています。
先ほどのヒンメリは、その一つである麦わらストロープロジェクトで作った麦わらストローの活用の一つの試行です。
日本では、稲わらが中心でしたが、昔のわら細工は、日常生活に深く根付き、生活を支えるものでした。草履も、座布団も、ロープも、食品の包装も、色々なものがわらを細工して作られていました。
現代は、プラスチックや化学繊維が便利だということで、そのような人工的な素材を生活の中心として使うことが主流となりましたが、このような地球が危機的状況にある中では、自然素材を活用することに目を向けていかなければなりません。
麦わらストローを作ること、ヒンメリを作ることには、量が少ないことやその性質から、大きな成果が見込める訳ではありません。
しかし、少しでも、自然素材の魅力から、そのような環境負荷を減らす動きを感じ、興味を持ってくれる方が少しでも増やすことができたら、それが行動変容のきっかけになり、結果として環境負荷を減らすことに繋がると思っています。
先日、一冊の書籍で、強く胸に刺さったメッセージがありました。
「心地の良い嘘」と「不都合な真実」どちらを必要とするかということです。
この書籍の中では、別の一つの事柄について問うていたのですが、私たちの生活では、「心地の良い嘘」を皆が信じ、「不都合な真実」に気付く人が非常に少ない、そしてそのことが世界を暗くしているという現状が、色々な場面で見られるということに思い至りました。
大抵は、経済活動を推進する為、商業が儲かる為に、とかく物事の「楽しさ」や「美しさ」、「メリット」等、輝かしい「光」の部分だけに大きく偏って見せる働きによって、本来、光と同時に認識されるべき「闇」が見えにくくされ、結果として、その光に惑わされて光を強めることで、それと同時に影を濃く広くしてしまっていることに気付いていないことが沢山あると思うのです。
例えば、「アパレルの消費」はどうでしょうか。
私たちは、ファッションへの関心が高く、ファッションをとても楽しんでいます。そして、一つ一つの服を長く大切に最後まで着るというよりは、次々に流行や季節に合わせて服を買うという行動パターンを習慣としています。かわいい服が次々に市場に出回り、ファッションを楽しめるという光の裏にある影は何でしょうか。
それは、他国で児童労働が加速されている問題だったり、国内で大量の服が廃棄されているというようなことではないでしょうか。私たちや他国の方が働いて作った服を大量に捨てているということは、無駄に労働していることでもあり、児童労働も含めた過労を促進していることだとも言えるのではないでしょうか。
服だけでなく、他の私たちの日用品や食品についても同じことが言えるのだと感じます。
また、別の例でいうと、「ペットを飼う」ということはどうでしょうか。昔は、ペットの種類も少なく、個人間でやり取りしていた規模だったペットの業界ですが、現在は、一つの産業として規模が拡大しています。
ペットショップに行くと本当に沢山の種類の動物が居て、中には、遠い外国から連れて来られた動物や日本の気候では生きることが難しい動物など珍しい動物も豊富に飼うことができます。
では、ペットを購入して飼うことによる「闇」はなんでしょうか。
それは、広くペットが飼われたことにより、飼えなくなった飼い主が動物を遺棄することが増えたということです。飼いにくい動物だったり、繁殖して増えて飼えなくなくなってしまった動物、飼い主の住環境が変わり飼えなくなった動物、色々なケースがあるのでしょうが、遺棄される動物が増え、その分保健所に保護される動物も増え、飼い主を見つけるスピードよりも遥かに保護される動物が多くなっていて、結果として、大量に殺処分することになってしまっています。また、ペットショップに並べられる前の動物たちの扱いについても問題はあるようです。
別の例では、食品はどうでしょうか。例えば、最近は美味しくて便利な食品がどこでも簡単に手に入ります。しかし、その美味しさや便利さと引き換えに、「化学調味料や保存料などの食品添加物」や「農薬の使用量の増加や残留農薬」「ワクチンまみれで飼育された動物の肉や牛乳、卵」等、安全でない食品もその中にはあります。
「見た目の良さ」「美味しさ」「便利さ」といった「光」の部分だけを見て、安全でない、もしくは危険な食品について知らずに、購入し継続的に食しているとしたらどうでしょうか。
それは、あなたの一番大切な体を蝕み、病気になったり、病気になる年齢を早めて健康寿命を短くしたりするでしょうし、更に怖い事には、危険な生産・飼育・製造を増進し、そのような食品を増産することに知らず知らずに加担してしまうのです。
最近よく耳にする、芸能人等の有名人の闇もそうです。
ワイドショーや雑誌等でゴシップを楽しむという娯楽が、有名人のプライベートを崩壊させたり、心身の病を引き起こすことに繋がってしまうのです。
光に照らされたどんな物体にも影ができるように、どんなきらびやかで楽しく魅せられている営みにも、大抵は必ず影があります。
その影は、光が強くなり、まばゆく輝けば輝くほど大きくなる側面が否めません。
では、その闇や影に当たる「不都合な真実」を少しでも減らしていくためには、何をするべきなのでしょうか。
まず、「光」である「心地の良い嘘」に気付き、セットである「闇」についても、「知ろうとし、気づくこと」だと思います。
影を認識することができれば、光だけに惑わされて、どんどんどんどん影を大きくする行動を自重できるからです。
強すぎる「光」と「影」では代償が大きすぎるので、そこそこの「光」で満足することを覚え、「影」を抑えるというのが本当の私たちの幸せなのではないのかと思うのです。
便利で快適、オシャレな生活は、確実に環境破壊を加速しています。環境破壊を加速させないように、起こさないように、便利で快適でオシャレな生活を工夫して楽しむ方法を探るのも必要かもしれません。
でも、本当は、少しの「光」で満足し、楽しめる豊かな心を一人ひとりが持てることが私たちに求められていることなのだと思います。
「環境破壊」という言葉を遠ざけ、「環境負荷の少ない生活」を義務のように重苦しく感じるのでは無く、何ができるか、楽しみながら考え、実践できる方が増えたらと願っています。
ちょっと重たくて長い話になってしまいましたので、最後まで読んで下さった方には、心から感謝致します。
ヒンメリの話だけをするときっと、楽しく後味の良い、読みやすいブログになるのでしょうが、「心地の良い噓」では無くて、「都合の悪い真実」を共有し、一緒に本当の意味で、住みよい地球・社会を作っていける仲間が増えたらと願って、いつもお話ししています。